「茜…」
「ん?なに?」
勇志くんが私を見据えた
「何かあったのか?」
勇志くんは静かに私に尋ねた
お祭りのおはやしが遠くに感じる
「どうして…?」
「なんか無理に笑ってるような気がしたから」
「そう…かな」
私、そんなつもりなかったんだけどな…
勇志くんに悪いことしちゃったな
「…亮太のことか?」
亮太さんの名前を聞いて、一瞬びくっとしてしまった
「亮太と何かあったのか?」
私の反応を見て、勇志くんはゆっくりとした口調で言う
「大したことじゃないの…」
「そういう風には見えないけど?
茜、言ったらスッキリすることだってあるんだぞ」
勇志くんのその言葉を聞いて、さっきあったことを話した
ただ私が子どもだったから…
亮太さんは忙しいのに、私がわがままを言ったのがいけない…

