勇志くんは顔を上げた
「それで、茜に言った言葉を思い出した。絶対勝つって。それで、俺はいつものプレーが出来た」
真剣な目を私に向けた…
"絶対勝つ"
そのためだけに…
私は勇志くんの前にしゃがみこんだ
「勝てて、私も嬉しいよ。おめでとう…
勇志くん」
「…さんきゅ」
照れくさそうに笑った
つられて私も笑う
「やっと見つけた。おーい、菅谷。ミーティング始まるぞ」
バスケ部の先輩らしき人が勇志くんを呼びにきた
「今、行きます。
今日は本当にありがとな…それじゃ、またな」
「うん、お疲れさま。またね」
勇志くんは立ち上がり、私の頭をぽんぽんと撫でて、先輩のあとを追っていった

