亮太さんは私の頭を撫でて、マンションの下まで送ってくれた
亮太さんと別れ、私は電車に乗った
大丈夫かな…
お父さんと何かあったのかな…?
ふと、前方を見ると白髪のおじいさんが
電車が揺れ、バランスを崩しそうになっていた
「大丈夫ですか?ここ、どうぞ」
私は座っていた席をおじいさんに促した
「いやあ、すまないね…ありがとう」
おじいさんは被っていた帽子を少し上げて、優しく微笑んだ
「お嬢さん…不安なことでもあるのかな?」
「え?」
私の前にいるおじいさんはまた微笑んだ
「何があったかわかりませんが…相手を信じて待ってみなされ」
おじいさんは意味深なことを言った
すると、ちょうど私の降りる駅に着き、おじいさんに会釈をして電車を後にした
相手を信じて…か
不思議なおじいさんだったな…

