まだ検査中なのか…?
そう思っていると…
「亮太さん…?」
聞きなれたあの声がした
声のしたほうにゆっくりと顔を向けると
そこには頬に絆創膏を貼った茜がいた
俺は茜のほうに歩み寄り、抱き締めた
良かった…
「りょ、亮太さん…!みんな見てる!」
小声で訴える茜だけど、俺は抱き締める力を強めた
「心配かけさせんなよ…ばか」
「…ごめんなさい」
俺の背中に腕を回した茜
顔を上げて涙目で笑った
本当に…無事でよかった
「帰れるか?」
「うん、大丈夫」
看護師の人たちに頭を下げて、茜を車に乗せた
とりあえず携帯を取りに警察署へ向かう
携帯を取りに来たと言うと、そこまで時間を取られず、すんなりと返してもらった
「それ、もう使えないだろ?」
再びくるまに戻った
画面が割れてボロボロになった茜の携帯を覗き見る

