私は数10㎝も身長差がある勇志くんを見上げた
勇志くんは本気なんだ…
「ごめんなさい…
好きな人が…いるの」
「それって…亮太?」
亮太さんの名前が出たことに驚きながら
私はゆっくり頷いた
「やっぱり…そうかなって思ってた」
そう言って勇志くんは続けた
「そう思ってたけど…どうしても言いた
かったんだ。俺の気持ちを」
私を見つめ、切なそうに笑った
「ありがとう…勇志くん」
「それじゃあ、今度は友達として言わせ
てもらう。…笑えよ、今のお前すげえ
悲しそうな顔してるぞ。亮太に会う時は
ちゃんと笑えよ」
「うん!」
「じゃあ、行ってこい」
勇志くんはわたしの背中を押した
「ありがとう…
また、学校でね!」
勇志くんは笑って送り出してくれた
笑えよ…
その言葉通り、私は亮太さんに笑って
自分の気持ちを伝えるよ

