お父さんはあたしを病院へと送ってから、また家へと帰った。 「まだ犬の散歩してないから一回帰るけど、すぐにくるから」 「はぁ~い」 「診察券と保険証とお金、渡しとく」 「…ありがとう」 ブーン… 父さんは行ってしまった。 だから今、あたしは一人で待ってる。 診察も一人でみんな聞くんだな…。 「時東さん、時東美玲さん」 「…はい」 あたしは呼ばれた部屋へと入った。 「お願いします」 「はーい」 医者に一回頭を下げて椅子へと座った。