一人きりになった。 日も弱まってきている。一時のピークを過ぎれば全ては下がっていくものだ。 俺の中の怒りも、憎しみも全てはいつか消えて行く。 でもまだ…消えない。 それが、俺の後ろ髪を引くように残っている。 草の匂い、風の匂い、花の匂い…自然の匂い。 人間の匂いがしないココで、俺に染み付いた血の臭いだけは取れそうにない。 …『すまない。』 と、空から声が聞こえた気がした。