かと言って、それを聞いてしまうほど俺は愚かではなかった。


気付いたことも、本来なら隠したほうがいいのかもしれない。
全てが味方ではないのだ。

世界は俺の味方ではない。
むしろ敵であるのだ。


いつ如何なる時も、俺は『俺』の部分は孤独でなければならない。



それは俺が決めたルール。


何もなかったように、グラスに口をつける。

初めは、少しだけ口をつけて味を確認する。
どんな味でも自分に影響を与えないことを知っていても、確認してしまう。


それにこしたことはないし、警戒心を自分に植え付けるためにはいいのかもしれない。