「姿勢、礼…、」 『ありがとうございましたー!』 「那央くん那央くん なーーーおーーーくーーーん‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎」 帰りの挨拶をするやいなや、愛しの彼の名前を叫びながら廊下に躍り出る。 そのまま三つ隣の教室までダッシュ。 周りの視線なんてものともせずに、あたしはお目当ての教室に駆け込んだ。 「なっおーくんっ!」 少し上ずってしまった声に振り返ったのは。 「沙穂、うるさい」 今日もむすっとした不機嫌顔で迎えてくれるイケメンさん。