「あの、それってほんとうですか!?」




男の前におどりでたトムは、こうふんぎみにたずねました。




「なんだお前は。」




男と話していたらしいむらびとが、トムをにらみます。




いきなりあらわれた、ボロボロのふくをきた男の子にむけられるしせんは、つめたかったのです。



しかしその男だけは、えがおでこたえました。




「ほんとうさ。おれはよなかに、ふと目ざめたんだ。」




「とけいを見たら、まよなかの1時だったよ。」



男がはなしだすと、むらびとはいっせいに注目します。




「そしたらドアをたたくおとがしたんだ。あけてみたら、だれもいなかったよ。」




トムは目をかがやかせます。