ヒロバは、すこしだけ、トムの家からはなれたところにあります。




小さなむらのなかにある、小さな市場や、遊び場、ちょっとしたあつまりにもつかわれたりする場。



ひとがあつまる、むらの中でも活気にあふれた場。




むらびとは、そこを“ヒロバ”とよびました。




家を出て2、3分たったころ、ふと、メモのないようをかくにんしたトムは目を丸くします。




そこには、




“おしごと休みの日くらい、ヒロバに行ってあそんできてよ”




“おみやげ話をきかせてね”




と、かわいいクマのイラストつきで書かれていました。




買ってきてほしいもの、など、どこにも書かれてはいなかったのです。




メモと小さなおさいふを見くらべて、




それから自分のあるいてきた道をふりかえります。




トムはしかたない、とわらって




ヒロバへつづく道へと、さらにあるいていきました。