「身分?身分とは何ぞや。神位のことかえ?そなたがただの化け狐ゆえ、我と釣り合わぬのが恥だとでも言いたいのか?」
「……おっしゃる、通りです…」
「ハッ!意気地のない………あいわかった」
すると、嵐華が素早く動いた。
阿多羅の上にのしかかり、床に彼を組み敷く。
「こうなったらば無理強いじゃ。我を抱かすぞ」
「ら、嵐華様っ!?おやめ下さい!ちょっ…!」
主人により着物がはだけられていく。
阿多羅の思考は嬉しいやら恥ずかしいやら拒絶したいやらで大混乱だ。
「いけま、せん…俺は…!」
阿多羅とて、嵐華の思いは嬉しい。
けれど指摘されたように、自分は単なる化け狐。
何の位も持たぬ底辺層の狐だ。
格が違いすぎる。
それなのに、気高い彼女は言うのだ。
「抱け、阿多羅」



