「怪我の具合はどうだ?」

「あ、うん。まだ少し痛むけど…」

出血もないし、たんこぶ程度で済むだろうとちよは思った。

「安静にしておれ。頭が痛くては子作りなどできぬからな」

「…………え?」


今、この青年は何と言ったのだろうか。


「あ、の…意味がわからないんだけど」

「なんだ?気分がすぐれずとも、お前はできるというのか?大した女子(オナゴ)だな」

ちよと同じ目線までしゃがむと、飛牙は彼女の黒髪を掬い上げ、口づけた。

「ならば早速…」

先程まで寝ていた場所に再び優しく押し倒される。

「きゃあ!?な、何するの!」

「ん?子作りだが?」

「ふざけないで!傷の心配してくれたから良い人かと思ったのに…!あなたは誰!?村の人じゃないでしょ!?」