今昔狐物語


「えーと、ね。ようするに…もう少し、あなたと…」

「ん?」

キラキラとした金色の瞳が彼の純粋な心を表しているかのようで、まじまじと見つめられると言うのが照れ臭くなる。

「だ、だから…」

躊躇うも、続けろと彼の目が訴える。


「もう少し、飛牙と一緒にいたかったの!」



「……は?」


キョトンとした狐の表情。


「は?って何よ!本当のこと言っただけじゃない」

はだけた裾を直しながら、ちよは軽く飛牙を睨みつけた。

すると、彼は急に笑い出した。


「くくく…は、はははは!!」


なぜこれ程盛大に笑われたのか理解できない。

ちよは困惑しつつ首を傾げた。


少しして、飛牙がちよに問い掛ける。