さて、あかりにとって緊張と不安の日曜日。
その日、火叉七はというと焼肉屋にいた。
「久しぶりじゃのう、火叉七や。コンカツとやらは順調かえ?」
「うっ…母上」
他とは仕切られた座敷にて寛ぐ母親、嵐華。
山から下りてわざわざ焼肉屋に来ている彼女はそれなりに楽しんでいるようだ。
隣に座る火叉七の姉、可愛に先程から洋装を見せびらかしている。
「よく来たな、火叉七。まあ座れ」
父親の阿多羅が自分の隣を勧めた。
素直にストンと腰掛け、火叉七は来ているメンツをぐるりと見回す。
嵐華、阿多羅、可愛を始め、他には飛牙と玖羅加、玖羅加の息子、氷雨(ヒサメ)までいる。
(はぁ~……やっぱり来なきゃ良かったかも。早く解散になんないかな…。てか、あかりに会いたい)



