「まだ好きだから、苦しいんだよな?」
泣きそうなあかりを見つめて火叉七は素直に言葉を紡ぐ。
「なら彼氏のこと信じてやりなよ。好きなら、信じなよ」
「え……」
信じる――。
そんな選択肢を思いつきもしなかったあかりは呆然と火叉七を見遣った。
「俺だったら信じて、一度だけなら見逃すね。でも二度目はないかなぁー」
第三者の意見を聞いて、あかりの憂鬱がちょっぴり晴れたようだ。
彼女は視線をさ迷わせつつも少し顔を上げた。
「そう…ですね。一度くらいなら…許してあげても…いいのかな」
「そうそう。頑張れ!」
明るく純粋に応援されたことがくすぐったくて、あかりは照れながら微笑んだ。



