今昔狐物語


もちろん誤解だったので睨んでいないと訴えたが、無意味に終わった。

イジメのターゲットとなり身も心もズタズタに傷ついたあかりは「裏切られるくらいならもう二度と親友なんて作らない」と決意。

そんな彼女の心をほぐしてくれたのが、初めてできた今の彼氏なのだが…。


「裏表のない彼が…好きだったのに…」


もう、わからない。

信じられない。

彼も仮面をかぶっていたのだ。

このまま付き合うのも吐き気がするし、仮面を剥がしてやるのも怖い。

これからどうすればいいのか。

自分はどうしたいのか。

答えが出ないまま時間ばかりが過ぎていく。



「“好きだった”って…過去形なのは、もう好きじゃないってこと?」

「そんなっ、ことは…」