愛の告白に、玖羅加の心が悲鳴を上げた。

何よりも欲しかった言葉。

けれど、聞きたくなかった。

知りたくなかった。


「しゅーちゃんよりも、私は優しい玖羅加が大好きだったのよ」

知ってしまった今、真実を彼女に話すことが恐ろしい。


「や、やめて…。そんな純粋な目で、僕を見ないでっ…!」


嫌われる。

嫌われてしまう。



「僕は……僕はっ…鞠紗の本当の夫を、殺したんだ…!」



風が吹いた。

木々がざわめく中、鮮明に聞こえた玖羅加の言葉。


「え…?」



玖羅加は泣いていた。

酷く悲しげに泣きながら、鞠紗から視線を反らすことなく自分の罪を語り始めた。


「醜いんだよっ、僕は。鞠紗のことが大好きで、取り返しのつかない罪を犯した。こんな僕は、鞠紗の夫に相応しくない…!」