「玖羅加のお母さんは、人間だったんですよね?子供を…玖羅加を、どんなふうに育てていたんですか?」
自分がこれから育てることとなる双子。
彼らにも狐の血が流れている。
鞠紗は怖かった。
誕生を嬉しいと思う反面、これからどう双子を導いてやればいいのか、明確なものがなく不安だった。
「ちよは普通に育てていたぞ。人間の息子を育てるのと同じだ。共に食べ、寝、遊び、働いた」
「そう、ですか…」
「なぜそんなことを聞く?……まさかお前、子を生んだのか?玖羅加の子を?」
じっと見つめられ、鞠紗は恥ずかしそうに俯きながら頷いた。
「は、はい…」
か細い声で肯定すると、突然飛牙が楽しそうに笑い出した。
「くくくっ…ははははっ!!これはめでたいなぁ!そうかそうか。あやつも父親か」



