「…ふーん。 まぁ、俺には関係ないから別にいいけど。」 この時、私は自分の胸の拍動の速さに戸惑っていた。 「落ち着いたか? 家まで送る。」 「家というか…いま旅行中で、今日はホテルに泊まるので…」 「ホテルまで送る。行くぞ。」 初めてのひとり旅で、 初めてあんな怖い目にあって、 初めて一人で泊まるから、 彼が送ってくれたのがすごく嬉しかった。