《紫苑side》







俺の目の前に、気付けば沖田が来ていて、

此方を見上げていた。

















紫「…………おき、た………………。」















『……………………紫苑。無事か………??』




















あの時の様に、自分の身は顧みず、

俺の心配をする沖田。












それを聞いた瞬間、思わず俺は────



























─────ギュッ!!














『……………!!??紫、苑………??』





沖田を抱きしめてしまった。





























紫「ごめん…………!!ごめん、沖田……!!!

俺のっ、俺のせいで………………っっ!!!!」











狼狽え、沖田にただただ謝る俺。



そんな俺を見るのは初めてだからか、

固まっていた沖田。







だけど、直ぐにハッとなり、

狼狽える俺を落ち着けるためか、









『……大丈夫、大丈夫。私はもう、

怒ってなどいない。


それより、紫苑。無事で、良かっ────』














言い終える前に、沖田は力なく崩れ落ちた。











紫「沖田……………!!??」




慌てて沖田を見ると。

















『スーー、スーー………………。』


















紫「……………………おいおい……………。」














───寝ていた。


















呆れつつも、沖田を姫抱きにする。






















紫「…………………沖田。…………ありがとな。」















俺はそう言い、沖田を連れ、

屯所に帰った─────