──────グサッ。




──────ザクっ。



──────ズシャッ。
















倉庫の中は人の斬れる音で溢れた。




奴等は抵抗する間もなく次々と死んでゆく。

















─────私達が、速過ぎるからだ………。





















『………………弱き者よ。』




楓「…………………………………っ。」















どうやら……………楓は人を斬るのが

初めてらしい。











黙ったまま、震えながら人を

斬っていっている。









立っているのもやっとの様だ。





















楓を気にしつつも、無事、

鬼蛇の奴等を抹殺し終えた。








私は刀に付いた血をパッと振り払う。





楓は震えながら突っ立ったままだ。



















そっと楓に近寄る。



顔を覗き込むと、顔面蒼白していた。





『…………………楓。』


呼びかけてみる。












ビクッと反応するだけだ。















『…………………楓!!』






もう一度、大きな声で呼びかけてみる。












楓「っ!!………つ……………ばき…………。」







やっと声を出してくれた。




ほとんど震え過ぎていて聞こえないし、

途切れ途切れ過ぎる。












そのまま倒れてしまいそうだった。




















だから私は楓を抱いてみる。















楓「……………………………椿??」











楓が不思議がる。それを気にせず、私は。













『……大丈夫、大丈夫。


楓は、よく頑張ったよ。


怖いのにちゃんと仕事をこなしたよ。


大丈夫。怖がる事は、ない。


……………私が此処に居るよ。』













そう、言ってやる。



すると楓からは。

























──────ツーーーーーー。









一筋の涙が溢れた。





一筋だけではすまなかった。










どんどんと涙が溢れてくる。






嗚咽の漏れる口から言葉を発する。

















楓「俺っ………………人を……………殺した……っ。


仕事だって……分かってる…………!!


先祖の………再来だって………

言われるだけで…………。


俺は…………弱いんだ…………っっ!!!!」