『…えのきね、ノートを持ってきてくれたり、ケーキくれたりしたの。あの子凄く絵上手いんだよ、びっくりしちゃった』



『最近張り切って、バイト先の絵描いてるわね。幸にもあげるんだって言ってたわ』



『鎌吉さ、えのきのお土産の蛙の便箋にさ、あつーいラブレター書いてよこしてさ』



『ここで、一生懸命書いてたわよ。こんなに手が痛くなるくらい、ラブレター書いた事ないって』



『私なんかの為に一生懸命で、笑っちゃうよ』



『幸だからよ』



『…ずっと一人考えてた。でもわかんなくて、何が何かわかんなくて』



『うん、うん』



『頑張ってきたものが何だったのか、わかんなくて』



『うん、うん』



『でも、わかんなくて仕方ないよね。だって私まだ17年しか生きてないもんね。ママにあんたみたいな小娘が人生悟ったみたいになってるのがびっくりって言われちゃった』



『そうか…幸のお母さん、相変わらず男らしいわね』



『わかんなくて、当然て思ったら、段々バカらしくなってきて、私何してんだろって』



『…』



『私、やっぱ自分の目で見て感じないと、駄目。だから、会って話もしてないのに、クヨクヨ悩むの辞めた』



『そうか、そうよね』



『それに、皆、琢磨見てるわけじゃん。私も会えると思う。日本にいるんだもん。会えるよね?会いたい…』



『うん、そうね。会えると思うわ。幸が幸を信じてたら』



『会った時、振り返られる女でいたいから、今の私じゃ、そのまま…ぽいだよ。皆頑張ってるんだから、頑張らなきゃ』



『幸ー。おいで』



私はそう言って、幸を抱きしめたわ



本当に、頑張ってるわ


辛くて仕方ないだろうに…
幸の休憩は、必要なものだったのよね


自分でちゃんと、はい上がってこれるんだもん
絶対幸せ掴む権利あるからね

負けないでね



そうして、夕方になったわ



すると…