『瑞希……』



放課後、帰る支度をする瑞希に声をかけた


『帰ろっか』



いつもの、優しい瑞希……
その優しさ少しだけ、他にも降ってあげてください



瑞希を屋上につながる階段に呼び出した



『どした?』



『ひよりちゃんともう一度ちゃんと話してほしいの』



『えっ?……』



『ずっと、学校に来てないんでしょ?やから……』



『……俺はもう話さないよ。この前ちゃんと伝えたから、これ以上の接触はするつもりない』



『でも、彼女苦しんでる……それを救えるのは瑞希だけだよ』



『俺が救えるとは思えない……だって、気持ちに答えることはないから』


わかるけど
でも
瑞希しかいないじゃん



『美月、変な優しさは逆に人を苦しめるだけだよ』



わかってるけど