お前むかつくねん②~人生かけて恋愛するばい


『琢磨でしょ。何で逃げるの?』




鎌吉が必死に呼び止めると、琢磨は、観念して立ち止まった




『…』




『いつ日本に戻ったの?』




『…』




『…何も答えないんだ。…玉子ずっと待ってるよ。会う為に約束叶える為に、めちゃくちゃ勉強してさ』




『…』




『帰ってきてるなら、会えばいいじゃん。何で連絡しないの?』




『…』




『何回か琢磨をみかけた。でも琢磨いつもスーツじゃないね。仕事…辞めたの?』




『…』



『…私に答えなくてもいいけど、玉子には話しをしてよ。今呼ぶから』




『呼ばなくていい。』




『…何で?ずっと待ってんだよ』




『待たなくていいと伝えてくれ。待ってると思わなかった。仕事も辞めたし…そんな男との約束守らなくていいって…。』




『琢磨』




『俺はそんな約束忘れたよ』




行こうとする琢磨の後ろ姿に鎌吉は…



『ずっと絵葉書持って、大事に持って、会える為だけに、あんたの為だけに、毎日頑張ってんだよ。それなのに、忘れたなんて、ふざけんじゃねぇよ。逃げんなよ』



最後は声にならない声で叫んだけど、琢磨は振り返らず、去ったらしい




『たくちゃんが、そんなこと…』



古くからの付き合いの梅ちゃんも、かなり動揺していた