俺が無茶ばっかして、家に入れてもらえない夜、俺の傍にいてくれたのは、ポテだった


優しい犬だった


荒れた俺に、怯えず、いつも傍に寄ってきてくれた


そんな、ポテがいないのは、凄く寂しいよ


やべ、なんか泣けてくるな



『あんた、何泣いてるのよ、バカ』


そういう広美も泣いてた


喜一も、眼鏡の奥の瞳が潤んでる


母親のお菊さんは、大号泣だ


父親は、平然を装ってるが、悲しそうな背中をしている


家族が独り減ったんだ


誰だって悲しいよな


ポテ、向こうへ行ってもあんま食べ過ぎんなよ


って、食べ過ぎてもいいのか
腹一杯食べていいぞ


いつの日かまで、お別れな

ポテ、またな