「うわっ、くっさ!!」


台所に入るなり、物凄い臭いがただよってきた。
臭いの犯人はこれだ!
高級肉を焼き終わったあと、火をつけっぱなしにしてたんやな。
そして、高級肉とゆったら荵しかおらん!


「荵、おるんやろ!?」


煙の中、姿が見えへんけど、おるはずの荵を呼ぶ。


「えぇ、ここにいます。それより水持って来て下さい。火事になりますよ」


何やその余裕ゎ!!
火事になるっちゅーねんたら、横に水道あんのに水出さん荵って可笑しいやろ!!


「狸鬼~!水持って来たぞー!」


バケツをいっぱい運んで来た俊。


バシャッバシャッ


バケツの中の水を火の元から消して行く。
………
…………
……………
やっと火の元は消え、周りの火も全部消えた。
よし、もう大丈夫やな!


「もう、荵は何してたんだよ!」


俊は荵の追求。


「じ、実はですね……」


必死に言い訳を考える荵。


「………何だ?」


目を擦ってダルそうに階段を下りてくる潤。


まさか“あの”荵が火事を起こしそうになるとはなぁ。
俊と潤はともかく荵やで?
し・の・ぶ!
絶対ありえへんおもてたのに…


「これからは荵は、火ぃ使うん禁止や!」


ピシャリと言いつけ、自分の部屋にもどた。