「ねー!いいでしょ?
しかもそこの店員さんに、すっごいイケメンがいるんだって!」



今日クラスの女子が噂していた。



だがしかし田中は「くだんねー」と鼻で笑っただけ。



「イケメンの店員さん、田中も見たいでしょ!?」「全然」




即答かよ。





「つまんない!田中超つまんない!」



「あそ」



「さては自分がイケメンじゃないからって嫉妬してる!?」



「アホか」




一向にあたしを見ようとしない田中と、増えていくチラシの印。




「田中のバカー!!!」




あたしはついにチラシを取り上げた。




「おいっ何すんだよ」



ようやく田中が顔をあげる。




「今日の夕飯ラーメン!これ決定!」


「じゃぁ周防が奢れよ」


「何でそうなんの!?」


「じゃ行かない」


「ケチ!田中のケチ野郎!」




そんなくだらない言い合いを30分ほど続け、ようやく田中が重い腰をあげた。




あたしの粘り勝ち!