あたしが言うのを躊躇していると、岩槻くんがスッとあたしの顔を覗き込んで、フワリと、笑った。 「…俺に、言ってみ?」 どこまでも柔らかいその笑みは、まるでおとぎ話の、王子様みたいで。 い、岩槻マジック…!!! 「…うん。実は…」 岩槻マジックにまんまとやられたあたしは、つらつらと昨日のことを、岩槻くんに話した。