菊乃丞に惚れてはならぬと言われ、


なるべく接してしまわぬように間を開けて座っていた。


「…っ……きく…の…、」


「霧里は私を見ていればいい」


助けてあげたい自分を自制しながら、

男は白い粉を飲ませてしまった。


奴は花魁と契りを交わす時には言いなりにするため、

媚薬を盛っている。


「…めろ…」


「どうした」


「やめろと言っている!!霧里に罪はない」