私の決意は嘘のように砕け散った。 ここから見える2人はすごく距離が近くて。 それが何をしているのか分かってしまっ たから。 その場から飛び出して逃げた。 「葵!?」 驚いた様な伊織の声が聞こえても足を止 めなかった。 やっぱり諦めよう。それが正解なんだよ。 伊織は誰とだってキス出来るプレイボー イなんだから。 本来私が関わるような人じゃない。 良かった、今気付いて。今だったら傷は 浅くてすむかもしれない。 私は唇をかみしめてただひたすらに走った。