本当にまだ居るのかという不安を持ちながらも、インターホンを押した。

ドア越しに"ピンポーン"という軽快な音が中から聴こえてきた。

どうやらインターホンの調子はいいようだ。
しばらくすると、ガチャッという音と共にドアが開いた。


「どなたさ…」


中から出てきたのは紛れもなく父さんだった。


「…久しぶり」


目を見開いて口を開けたままの父は余りにも間抜け面だった。


「よ、しき...お前...」

「説教は今度しっかり聞くから。今日は知らせるために帰ってきたんだ」


少々怒りに満ちた顔に圧されながらも、用件を端的に伝えた。

すると、狼狽えながらも家の中に上がらせてもらえた。

このアパートはアパートという割りには、3LDKで、結構広い。

俺が使っていた部屋のドアが開いていた。

通り過ぎる際に覗いてみると、家具や雑貨やその他諸々俺が当時使っていたままあった。
だけど、定期的に掃除していたのか、綺麗だった。