電話だってメールだってLINEだってしたけりゃ、畑辺からのを待たずに自分からすればよかったんだ。 電話のときの『もう終わろう』って言葉だって俺の身体を労わってのことだったんだ。 …畑辺からの愛の方が比べものにならないくらい大きかったんだ。 「ごめん、畑辺。ありがとう。」 テーブルの向こうにまわり、泣いている彼女をこわれものを扱うかのようにやさしく抱きしめた。 「俺って大事にされてるんだね」 耳元でそう言えば、 「そりゃもう国宝級にっ」 俺の大好きな安心できる笑顔で、そう言ってくれた。