太田海…改め、太田改はあたしが視線を逸らした理由が分からないのか、必死にあたしを振り向かせようとしている。

「会長ー!どうしたの、具合悪いのー?」

「具合はとてつもなく良いわよ!」

「じゃあ、こっち向いてよー!」

「い•や•よ!」

だってあたし今…絶対、顔が真っ赤なんだもの!

しかも、張本人のあたしでさえ視線を逸らす理由が分からないのに…顔なんて見れないわ!

「とにかく、今は生徒会の仕事中なの。出て行って!」

「昨日は入れてくれたのに…」

「昨日は特別よ!」

「会長のケチ」

「なんですって!?」

ぐるっと首を回して太田君を睨む。

「やっと、こっち向いた」

「…しまった!」