強がり彼女と恋と嘘。

「会長…酷いよー」

「喋った!?」

「人間だもん」

可愛い男子がトコトコと近づいてくる。

「僕、ちゃんと太田海だよ?」

可愛い男子ははっきりとそう言った。

「冗談でしょ?」

何で顔見せてるの?

隠してたんでしょ?

あたしの心にもやもやが溜まる。

「さっき切って来たんだ!似合う?」

ふぁさ…と髪の毛を手で掬いあげるとシャンプーの香りがした。

「ええ、似合うわ…」

何故か分からないけど、顔が見れなくて…あたしは太田君から視線を逸らした。