「髪の毛を切って貰うなんて…」

あたしは太田君の彼女じゃないし…そんな権利ないのに。

弟のくせにむちゃくちゃ言いやがって!

それに、あの髪の毛にも意味があるんでしょ?

富岡が言ってたもの。

嫌な目に遭わないように顔を隠してるって。

それを無理やり、しかも知り合ったばかりの人がどうこう出来ないじゃない。

「彼女にでもならないとどうにか出来ないわよ」

ポツリと呟いて、あたしも階段を上っていった。