これは隠すようなことでもないし、隠したって無駄だもの…白状しようかしら?

「あの人…太田君は、あたしの数少ない男友達の一人よ。暗かったから送ってもらったの」

春にも分かりやすいように大まかに説明する。

すると、春は急に真面目な顔をした。

「何かされてない?」

何かって…キスしかされてないわって!

あたし太田君にキスされて怒ってたんだわ!

急に思い出し、一気に顔が赤くなるのが分かる。

絶対バレバレじゃない…。

あたしの考えは正しかったらしく、春は一言。

「せめて、髪の毛くらい切って貰いなよ」

そう言うと、階段を上っていった。