強がり彼女と恋と嘘。

「ごめんね!約束破らないと駄目なんだ!」

そう言って入ってきたのは、さっき出て行った太田君だった。

はあはあと肩で息をしているからきっと、急いで戻ってきてくれたんだわ…。

「何で戻ってきたのよ…」

なのに…あたしは強がって思ってもいないこと言って。

本当は嬉しいのに…。

ぎゅっと手に力を込める。

そうしないと震えてしまうから。

「だって…会長がきっと怖い思いしてると思ったから!」

「でも…」

「でもじゃないよ?キスして…傷つけたから僕を見たくないと思うけど。やっぱり、一人でこんな真っ暗な中を帰らせたら駄目だって思ったから!」

「なんで…そんなに」

そんなに優しいの?

声に出しそうになり急いで唇を噛む。

「帰ろう…会長」

そう言ってあたしの荷物を手に取ると、ゆっくりと歩き出した。