「ぎゅーーー」 「ちょ、や」 めてよ。 …の一言がなぜか言えない。 『や』まで言えるのに。 抵抗できないのはなんでだろう。嫌、とは思えない自分が悔しい。 ………。 あたし、おかしくなったかも。うん、とうとうクルとこまで来ちゃったね。 そりゃモテるかもしれないけど―――コイツだよ?コイツ! いつも府抜けててゆるゆるなコイツだよ!?あたしどうした、いつもの元気がないぞ。そう思ってもなかなか抜け出せないのは多分―――桃真が放つ香り。 ふわふわ、すごくいい匂いだからだ、多分。