「オマエアホなんじゃねぇ?」




「へ、」




「オマエは彼氏バカにされたからっつってるけど、オマエ彼氏どーせいねぇだろ。君らけっこー悪い噂たってるよ?悪口すぐ言うとか気に入らない奴消そうとするとか」





「…っ」





「それにコイツはそういうこと言う奴じゃね~よ、お姉さん」








これくらい一気にしゃべる桃真、初めて見た。





桃真が口だけゆるりと弧を描いて妖艶な笑みを浮かべている―――ように見えるけど、目が、目が怖いよ。







それに気づかずに頬を染める先輩たちは、なんか可哀想だ。こんなことにも気付けないんだから。







「じゃ、俺ら行くから。バイバイ」






桃真がひらひら手を振って先輩たちに背を向けた。楓弥はあたしの腕を掴んでもと来た道へと進む。












……なんか、助けられちゃったなぁ。








ちょっと見直した、かも。











あたしは楓弥についていくようにして足を進めた。