「……っ、オマエっ、後ろ!!」 「……え?」 「、蜘蛛!でかい蜘蛛がっ、」 「え…っ!?」 あまりにも演技に見えないその驚きようは、あたしをビビらせるのには十分すぎた。 条件反射でばっと後ろを振り返ると――――――― 「…………………何もいない」 「あ、ごめーんただのでかい埃だったわー」 「は、」 あ!?と言おうともう一度楓弥の方を見た、その瞬間だ。 ぐっと一瞬で右腕を引かれたのは。