「まあいいじゃねえか。これも一つの思い出ってことで」
「何良い感じにまとめようとしてんの?」
「ページ上の都合だ察しろ」
「嫌だわ」
何で大人の事情をここにぶっこんでくるかな、お前が察しろよ。
ぶーぶー心の中で文句を言っていた時、桃真が空気と言うものを全く読まずに「あ、リンコちゃんから電話」とその場を去っていこうとする。ちょっと、まだ文句言い終わってない。
桃真が立ち去ろうと、一歩目を踏み出したその時、思い出したかのようにこちらに向き直った。
「ねえねえぶーちゃん」
「なに?」
「俺もしたくなっちゃった」
何が、とは聞けなかった。
ふっと、頬に突然感じる柔らかな感触に驚いて声が出なかったからだ。

