「……っ、」
賭けに負けたと認めたくなくてぶんぶん首を振る。と、楓弥は眉根を寄せて、放送室のほうに目配せをした。
………何?
「……オマエが悪ぃんだからな」
「はぁ?何言って、『あー、マイクテストマイクテストー』…………………………は?」
急に放送室から聞きなれた声が聞こえて、疑問を覚えた。
こいつは…いや、“こいつら”は、何をしようとしてる?
「…ねぇ、『よーし、声ばっちりー。えー、無事楓弥王子と幸せになったシンデレラですがー、ここでひとつ問題が起こりましたー』………」
どうやらあやつは話を聞かないらしい。
もう何を言っても無駄な気がする。
『えーっとぉ、シンデレラの国ではキスをしないと結婚できないらしいでーす、さぁキスをどーぞ~』
「…はぁ?!」
慌てて放送室を見れば、あやつ…桃真は、「てへっ☆」とでも言うようにばちこーんとウインクを決めていた。イケメンは何をしてもキマってしまうのかもしれない。
…って、違う。

