「…っ!」
あたしが楓弥に抱き着くと楓弥はよろけ、体勢を立て直してあたしの頭をぽんぽん、撫でた。
安心するなぁ、この手。
「そ、んな…馬鹿な、俺の方が絶対に橘さんに合って…」
あたし達の隣で荒居君はふらふらと何か呟いて、会場から去っていった。だ、大丈夫かな。
「……大丈夫だろ」
「そ、そうか…ならいいけど。って勝手に人の心を読むな!」
「お前わかりやすい」
「あんたに言われたくない」
抱き合ったままあたし達がケンカみたいなのを始めると皆笑って、「何アレー」「シンデレラあんなこと言う子じゃなくね?」とざわざわしだし、最終的になぜか、
「おい王子ー、シンデレラを黙らせろー」
「キース、キース」
「「「「「「「キース、キース!」」」」」」」
こうなった。

