「………ホントに着なくちゃダメなんですかコレ」
「だめです。さぁさぁ橘さん、机の上にある猫耳もかぶってね!」
「……………」
空気を読んでいないのかなんなのか、よりにもよってその猫耳は奴らのすぐ後ろ。猫耳はとれそうにない。
だって双子のそばを通らなくちゃいけない。
「……猫耳なしで「かぶってよ絶対に」」
「………いや、あの「口答えするようならば休憩なしでメイド着せるわよ?」」
「………」
何なんだ一体。
ちっくしょうめ、そんなこと言われたら取りに行かざるをえない。
双子は未だ、女の子と喋ってる。
…………ああそうですか。
そっちがそうならあたしだって別に、あんたらのことなんて気にかけない。
平常心で行こう。

