「ん~?寝てもいーよ?俺の腕の中d「滅」よっしゃ俺も寝るわ」
そうしなさい。
……んー、でも。
ホントに寝ちゃおうかなー。
ううん、でも寝たら何されるか!絶対寝ちゃだめ。
寝ちゃだめ、寝ちゃだめ、寝ちゃだめ、
……って思ってるとうつらうつらしちゃうのは何でだろう。
寝ちゃだめなんだってばあたしのアホ!!
「……、」
寝ちゃだめ、だ。
「寝れば」
「は…、」
「別になんもしねえよ」
「………」
ちら、金髪の方を見ると、ふ、と優しい顔であたしを見ていた。
――――――――――いつからそんな顔で見てたんだろう。
「…っと。その前に聞くことあったんだ」
「……」
「オマエの名前は?」
どうしてそんなことを聞くんだろう、と考えられはしなかった。
眠い。
「あたしの名前は………あいり、………」
「………ふーん」
そっちから聞いたくせに興味なさそうに返してきた。
………ホント、むかつく。
とは思いながらも、意識が遠のく間際優しく頭を撫でてくれたそのふたつの手に、安心したのは多分、勘違いじゃない。

