「な、な、なななな!っ、!!」
「うっせーなーオマエ。まじうぜー」
「ははははははは離せ!!!」
「やーだね」
ぺろり、舌を覗かせる金髪。顔が、顔がありえない近さなんですが!
兵士たちは何か叫びながらこちらに向かってきているけど、そんなこと気にもせずひょひょひょいと二人は道ではない道を通り抜ける。それこそ猫みたいに。
そんなことをしている間に兵士たちとの距離はぐんぐん遠くなって、こっちから姿かたちも見えなくなった。
「……良かった……」
「ね~。大変だったわー」
「他人事みたいに言うな」
それでももう安心だ、と思う。
はぁ、とため息をついて、茂みに座る。
と、あたしにならったのか二人ともあたしの両隣に座った。
ふう。
「………疲れた」

