しばらくめるへんな通路をうさぎさんが通って行ったところを沿うように歩いていると。
「いった!!!」
すぐ近くにあったチェック模様のタンスの角に足、しかも小指に近い場所をぶつけた。靴を履いていたからまだよかったけど。
………つくづくついてない。
地味に痛いんだよコレ。
ぴょんぴょん、片足で跳ねる。
ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、ぴょんぴょん、
……と、今度は絨毯で滑る。
「ぶべ!!いひゃ、いひゃい」
………ついてなさすぎじゃない?ねえ。
慌てて立ち上がって、誰も周りにいないか、きょろきょろしていれば、前から小さな笑い声が聞こえた。
……え、人、ここにいたの?
前方を見る。
と。
「………はぁ?」
……なにこの森。
いつの間にあったのか、暗くて深そうな森があった。なにこれ。
何か出てきそう。
後ろ……を見てもあのめるへん通路はない。
…………笑い声=、人がいる?
「…………!」
後ろに行っても仕方ないので、笑い声の主を探すためにもあたしは迷うことなく、暗い森の中に入っていった。

