「あれ?え、ちょ、何あれ」 あたしは自分の目は正気か、とごしごしごしごし、目をこれでもかというくらい擦った。 それでも。 「………うさぎが、うさぎがめちゃくちゃ変な格好してる!」 まるでどこかのパーティーにでも行くかのような燕尾服と目がちかちかするようなネクタイ。懐中時計を片手に持ち、「急げーっ!」とばたばたばたばた。 え、え、なにこれ、夢? にょいーん。ほっぺを伸ばしても目の前のうさぎは変わらずばたばたばたばた。バタコさんか。 それどころか。 「え、っちょっと!!」