アイツは気付いてないかもしれないけど—――アイツはすげえ。 …と、素直に思った。 俺は何も知らない奴らからの同情とかめんどくせえモノなんていらねえ。…俺はまー、楓弥だけこの世にいれば他はどーでもいいなんて考えていた。あ、変な意味じゃなくて。 ――――――——―――だけど。 俺らの世界に入ってきたのが、アイツだった。 正確に言えば…楓弥が気に入ったんだよね、アイツを。 『いじめがいがありそうだ』と、いつも楽しそうに話していたのを思い出す。